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ヒ素を“食べる”細菌発見の意義と意味

武村政春

武村政春 東京理科大学准教授(生物教育学・分子生物学)

発見されたのは「Halomonadaceae」(ハロモナス科)というグループに属する細菌の一種であるが、そんな名前を出されてもどういうものかサッパリわからないので、とり急ぎ覚える必要はない。重要なのは、この細菌がリンが存在しない条件「でも」生息するということであり、しかもそのリンが本来重要な役割を担っているはずのDNAの中に、何とヒ素を取り込んでいる可能性すらある、ということなのだ。ただし、この論文の著者たちは、「実際にDNAの中にヒ素が取り込まれた現場を顕微鏡などで捉えた」のではなく、「そう考えることが最も合理的であるようなデータを得た」のであった。
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