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「たむらと子どもたちの未来を考える会(AFTC)」の副代表・半谷輝己さんが、放射能と向き合う現実的な対応を伝授したいと始めた「家族のリスクマネジメント勉強会」。10回目にして初めて福島県内で開かれた「in郡山」は、郡山市役所の隣に立つニコニコこども館の3階和室が会場だった。

 5月27日の日曜日。夏のような日差しが注ぐ午後に子連れのお母さんやご夫婦、そして祖父母世代と、約30人が集まった。午後1時、スクリーンにパワーポイントを写して講演が始まる。福島第一原発のある双葉町で育った子ども時代、どんぐりを持って行くとあんパンや牛乳、算数セットをもらえるところがあった。原子力発電所サービスホールだった。そこで原発や放射線の話を聞かされた。米国流の住民教育だったのだろうという。やがて本題に入っていく。

 「リスクとは何か」。参加者に尋ねれば「危険」という答えが返ってくる。だが、半谷さんは「冒険」だという。何かを期待し、それを得るために冒すのがリスクというわけだ。

 「安全と安心」。安全だからといって安心ではないし、安全でなくても安心が得られることもある。その例として、「安全に死んで良いのよ、はないけれど、安心して死んで良いのよ、はある」と説明されて、なるほどと思う。安心には個人差があり、大事なのは納得の有無と説明が続く。

 そして、食品の話に。ポテトチップスやフライドポテトは、アクリルアミドが多く含まれている。これは発がん物質で、でんぷんを油で揚げるとできてしまう。「食べるのやめますか?」と聞けば、多くの参加者は首を振る。放射能汚染については、ホームページで公開しているグラフを見せながら、最近はほとんど検出されていないことを話す。「キノコは放射能が高いと言われるけれど、すべてが高いわけではない。土の浅いところに菌床を張るハツタケなどはダメだが、深いところに張るマツタケは大丈夫」とか、「海の魚はほとんど放射能がないけれど、川魚は高いので、小さい子は食べる量を少なくした方がいい。おじいちゃんはあまり気にしなくて構いませんよ。アユとか、1キロも食べませんから」「シラスはもう3世代目だから心配ない。サンマは2年魚なので、今年まで骨にストロンチウム90があるかもしれない。骨をはずして食べればOK」など、生活に密着したアドバイスが次々飛び出す。

 放射線は ・・・続きを読む
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筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) 朝日新聞 科学コーディネーター

朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

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