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津波は林業も襲った―合板の集中生産に脆さ

米山正寛 朝日新聞DO科学編集長

 東日本大震災の大津波は、東北地方太平洋岸の水産業に大きな影響を与えた。被災からまもなく1年半になり、漁や養殖は再開されつつあるが、沿岸の冷凍・冷蔵施設や水産加工施設の再建は滞ったままだ。漁獲量は減らざるを得ないし、とれた魚も多くが他地域へ運ばれていってしまう。こうした窮状は朝日新聞紙上でもたびたび報じられてきた。

 では、林業の「津波被害」はどうか。

 三陸地方は海と森林が近接したリアス式地形のため、海岸林を中心に直接的な被害を受けた。これに対して、主要な生産拠点である山間地には、当然ながら津波は及ばなかった。だが、水産業と同様に、受け入れ施設の被災が産地から運ばれる木材に深刻なダメージを及ぼすという事態は起こっていた。その実情は、一般にはあまり知られていない。聞き取り調査などをした山本信次・岩手大学准教授の報告をもとに、お伝えしておこうと思う。

拡大被災した日本製紙石巻工場。周辺には用紙のロールが散乱していた=葛谷晋吾撮影

 東北の太平洋岸には、実は有力な製紙工場や合板工場が数多く立地していた。 ・・・続きを読む
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筆者

米山正寛

米山正寛(よねやま・まさひろ) 朝日新聞DO科学編集長

朝日新聞科学医療部記者兼DO科学編集長。朝日新聞の科学記者を経て公益財団法人森林文化協会へ出向し、事務局長補佐兼「グリーン・パワー」編集長を務めた。2018年4月から現職。ナチュラリストを夢見ながら、とくに自然史科学と農林水産技術に関心を寄せて取材活動を続けている。

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