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政治とニセ科学(中)

片瀬久美子

■政策に入り込もうとする疑似科学

 昨年末に発足した安倍政権が力を入れている政策の1つが教育再生です。「教育再生会議」は7年前に設けられました。その当時の官房副長官であった下村博文氏が文部科学大臣に、「教育再生会議」担当室長であった義家弘介氏が政務官に任命されています。安倍氏とこの両氏は、親学推進議員連盟のメンバーでもあります。

 「親学」とは、"親とは何か、親に求められる事は何かなど、親として学ぶべき大切なことを伝えるもの"と紹介されています。高橋史朗氏が提唱してきたもので、基本的に戦後の教育を否定して祖父母時代の戦前の教育を"伝統的子育て"として礼賛しているものです。

提唱されているものには、一見すると多くの人達が納得しやすそうな内容が盛り込まれていますが、その中には根拠が疑わしい言説が随所に紛れ込んでいます。

以下に、その代表例をいくつか挙げてみます。

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