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「鎮守の森の自然エネルギー」最新報告〈上〉

広井良典

 はじめに――神社にあふれる若者たち 

 先日、伊勢神宮の近くで社叢学会という学会の年次総会が開かれ、研究発表をする機会があった。社叢学会とは「鎮守の森」に関する学会で、意外に思われるかもしれないが会員は(歴史学、民俗学といった分野の方々のみならず)植物生態学や造園学、林学など「理系」分野の方々がむしろ多数を占めている。2002年に設立された若い学会で「鎮守の森」を学際的に研究するというユニークな団体である。今回の開催場所が伊勢だったのは、20年に1度すべての社殿を移し替えるという「式年遷宮」が今年おこなわれることにちなんでのことだった。

 そこでも報告した「鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想」の話に入る前に、今回伊勢を訪れて何より驚いたのは、伊勢神宮とその周辺が多くの若者でにぎわっていたことである。

若い世代でにぎわう伊勢神宮周辺(内宮門前のおはらい町)拡大若い世代でにぎわう伊勢神宮周辺(内宮門前のおはらい町)
若い世代でにぎわう伊勢神宮周辺(境内の五十鈴川御手洗場)拡大若い世代でにぎわう伊勢神宮周辺(境内の五十鈴川御手洗場)


あらためて言うまでもなく、現在日本の各地の観光地に行くと、どこへ行っても高齢者であふれているというのが実際である。ところが伊勢神宮近辺では、20~30代前後の若い世代が実に多く(写真上)、一瞬ここは原宿かどこかかと思うほどだった。 ・・・続きを読む
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筆者

広井良典

広井良典(ひろい・よしのり) 京都大学こころの未来研究センター教授(公共政策・科学哲学)

1961年生まれ。84年東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)。厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授を経て現職。この間、マサチューセッツ工科大学客員研究員。社会保障、医療、環境などをめぐる政策研究からケア、死生観などについての哲学的考察まで幅広く発信。『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で第9回大佛次郎論壇賞を受賞した。

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