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「禁断のノーベル賞受賞者予想」に踏み込む

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

 今年のノーベル賞は、10月7日(月)に医学生理学賞、8日(火)に物理学賞、9日(水)に化学賞、11日(金)に平和賞、14日(月)に経済学賞が発表される。文学賞の発表日は慣例により直前まで発表されない。WEBRONZAは今年、自然科学3賞の予想に敢えて踏み込む。明日は奈良先端科学技術大学院大学の佐藤匠徳教授(分子生物学)、その後にカリフォルニア工科大学の大栗博司教授(理論物理学)が、それぞれの専門分野をベースに予想に挑む。

 ノーベル賞受賞者の事前予想報道は、新聞社にとってはある意味鬼門である。当たらない場合、各方面に迷惑をかけるからだ。いい例が、1988年夏の日経新聞の報道だ。

 8月2日付け朝刊で、来日した江崎玲於奈さんの話を記事にした。見出しは「日本は頭脳“輸入”を 江崎玲於奈IBM主任研究員語る ノーベル賞、小柴教授有望」。ノーベル賞に関する「発言の要旨」はこう報じられている。「超新星からのニュートリノを観測した小柴さんは、ノーベル賞候補として有望と聞いている。選考は世界中からの百点以上の推薦からまず六件くらいに絞り込み、詳しく調べるのだが、その六件に残っているらしい。大変優れた成果であるうえ、最近物理学賞は高エネルギー物理の分野から出ておらず、その点からも見込みがあると思う」

 この記事を見て、小柴昌俊さんの当時の所属先である東海大学が

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