メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

[2]生物多様性を脅かすネオニコチノイド系農薬

星川 淳 作家・翻訳家、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト代表理事

今年の夏、EUではミツバチへの悪影響が確証されないまでも一定程度明らかだとして、ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、およびフィプロニルを、予防原則にもとづき2年間の暫定的かつ部分的な使用規制下に置くと決定した。

 続いて製薬企業の力が強くEUに比べて動きの鈍い米国でも、連邦環境保護庁(EPA)がネオニコチノイド系農薬製品に、ハチなど花粉媒介昆虫に対する有害性の表示を義務づけた。

スロベニアでの蜂の大量死(2011年)――J・V・スラウス「ハチの障害と大型無脊椎動物の減少に果たすネオニコチノイドの役割についての新しい科学的洞察」(浸透性農薬に関するIUCN東京シンポジウム2013発表資料より)
スロベニアでの蜂の大量死(2011年)――J・V・スラウス「ハチの障害と大型無脊椎動物の減少に果たすネオニコチノイドの役割についての新しい科学的洞察」(浸透性農薬に関するIUCN東京シンポジウム2013発表資料より)
日本でも各地でミツバチ大量死の発生が見られる他、「夏なのに街灯に虫が集まらない」「スズメなど鳥の姿が消えた」といった声を聞くが
・・・ログインして読む
(残り:約2135文字/本文:約2407文字)