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歴代の「和」の心が実を結んだ若田光一飛行士の活躍

山崎直子 宇宙飛行士

 若田光一飛行士をのせたソユーズTMA-11M宇宙船(37S)が14日、無事にカザフスタンに着陸しました。米国人のマストラキオ飛行士、及びロシア人のチューリン飛行士とともに昨年11月から国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在をし、そして、今年3月からはISSの船長を日本人として初めて務めたこと、お疲れさまの気持ちで一杯です。若田飛行士は第39次船長をつとめた訳ですが、これまで米国人とロシア人がほとんど船長をつとめてきた中、ベルギー人、カナダ人に続いて、このたび日本人が船長をつとめたこと、とても誇らしく思います。

ISS日本実験棟「きぼう」に集合した第39次長期滞在クルー=5月3日、出典:JAXA/NASA

 これは、若田飛行士の努力もさることながら、歴代の多くの宇宙開発関係者の尽力が実り、日本実験棟「きぼう」や物資補給船「こうのとり」での技術力が認められた結果でもあると思います。若田飛行士は、「和」の精神でいいミッションをつくると抱負を語っており、ミッションワッペンにも「和」の文字を入れていました。きっとチーム内の「和」だけではなく、こうした広い歴代の「和」を心に抱いていたのではと思います。

 2011年に建設が完了したISSは、2020 年までの運用が参加15カ国の間で計画されていますが、今年1月、第1回国際宇宙探査フォーラムの場で、米国は2024年まで運用を延長する旨を表明しました。それに伴い、日本でもISSにこれからどう参画していくのか、現状でいいのか、見直すべきか、私もメンバーである内閣府宇宙政策委員会と文部科学省国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会で議論が始まりました。ISSだけを考えるのではなく、月や小惑星や火星などの宇宙探査全体を視野に入れて、長期的な方向性を決め、その上でISSを位置づけていく必要があります。2016年か2017年には、第2回国際宇宙探査フォーラムを日本で開催しますので、ホスト国としても、しっかりとした準備が必要になります。

 そんな中、

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