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[3]数学者が脱帽する生物の誤り修正機能

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

トークショー「数学と理科の楽しみ方」(数学者秋山仁氏×生物学者武村政春氏×朝日新聞編集委員高橋真理子,2015年1月28日,東京理科大学数学体験館にて)の採録を続ける。

高橋 証明されていない問題は無数にあるというお話でしたが、世界中の生物種も数えきれないほど多いと言われていますよね。

武村 一応今のところ180万種か200万種ぐらい同定されています。ところがアマゾンとか海の底とか、そういった知られていないところではまだまだその何倍、何十倍といるのではないかと。人によっては1億種ぐらいいるんじゃないかと言っています。

秋山 生物学で何かが解明されると、ますます解明されてないところが見えてくるという現象はあるでしょう。

武村 それはあると思いますね。教科書が年を経るごとにどんどん分厚くなっていくと、その間にある、これから解明されていくべき部分というのもどんどん増えてくる。生物学者はたくさんいて、毎日のように何千本と論文が出ているのだから、やがて研究をすることがなくなっちゃうんじゃないかと昔は感じていたんですけれども、でも実際に研究者の世界に入り込んでみると、全然それは違うんだなということが分かりました。知れば知るほど分からないことがたくさん出てくる。そういう意味で、楽しみどころというのは非常にたくさんあるかなというふうには思いますね。

質問者 今、生物の種類の数の話が出たんですけれども、この生物とこの生物は同じであるというのは、何をもって決めるんですか。

武村 例えば

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