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日本の貿易による環境負荷

生物多様性 注意すべきは国内より海外に与える影響だ

松田裕之 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授、Pew海洋保全フェロー

 人間活動の環境負荷を評価するさまざまな指標がある。一人当たり二酸化炭素排出量やより総合的な生態フットプリントが有名だ。生態フットプリントとは、人間活動により消費される食料などの物資、エネルギーや住居などを供給するのに必要な面積を計上し、我々の消費生活の環境負荷を表す指標である。どちらの指標でも、日本人の環境負荷は欧州人と大差なく、米国人よりずっと低く、途上国人の数倍高い。また、日本は主に温帯の島国だが、国内の生物の種数は英国などよりずっと多い。

拡大名古屋議定書の採択に拍手する各国の代表ら

 生物多様性条約は、生物種の絶滅を防止するなど、生物の多様性を守ることを目指し、1992年の地球サミットで採択された。同条約では、2010年に名古屋で開催された締約国会議(COP10)までに、世界の生物多様性の喪失速度を減速させるという「2010年目標」を掲げていた。同条約事務局では生物多様性について世界が怒れている概況を調べた地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)を2010年に公表し、2010年目標は達成できなかったと総括した。 日本でも環境省の委員会が2010年にGBOの日本版である生物多様性総合評価 (JBO)を公表し、国内でも、生物多様性は過去半世紀の間に大きく損なわれ、ほとんど改善が見られないと述べた。

 私もこの委員会に参加していたが、大きな不満があった。 ・・・続きを読む
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筆者

松田裕之

松田裕之(まつだ・ひろゆき) 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授、Pew海洋保全フェロー

京都大学理学部および同大学院博士課程卒業(理学博士)、日本医科大学助手、水産庁中央水産研究所主任研究官、九州大学理学部助教授、東京大学海洋研究所助教授を経て 2003年より現職。GCOE「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」リーダー(2007-2012)、日本生態学会元会長、日本海洋政策学会理事、個体群生態学会副会長。ヨコハマ海洋みらい都市研究会共同代表。

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