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生き残りたければ、スタートアップ流に学べ

古い企業がもう一度、成長するために必要なこと

山下哲也 エバンジェリスト、山下計画(株) 代表取締役CEO

 “革新的な製品に挑戦するスタートアップ”。最近よく目にするこの「スタートアップ」という言葉は、ITを駆使して短期間に急成長を目指す新興企業を表します。GoogleやFacebookは、スタートアップの成功例の代表格と言えます。

 定義は様々ですが、一般的な「起業」とは必ずしも同義ではないことは意外と見過ごされています。スタートアップを特徴づける最大の要素は、実際に需要があるかどうかはっきりとしない未知の製品やサービスを創造すること。そして成功した暁には、社会全体を変えうるインパクトを持つことが大きな特徴です。

 この特徴から、スタートアップの開発手法や経営戦略は時に突拍子もなく過激に、ともすると無謀にすら見えることがあります。彼らはGoogle検索のように全く前例のない製品を、需要も収益も望めるのかどうか判然としない状態で開発・販売するスタイルをとるのが普通です。リスクを最小化し確実な事業計画を作ることを基本とする一般企業には、受け入れ難いスタイルです。

 しかし無数のスタートアップの挑戦の中から数多くの革新が生まれ、その進化速度が加速していることから、近年は見方が大きく変わりました。

米国の著名な投資ファンドが日本で開いたスタートアップ向けプログラム「500 KOBE PRE-ACCELERATOR」=本田正浩氏撮影
拡大米国の著名な投資ファンドが日本で開いたスタートアップ向けプログラム「500 KOBE PRE-ACCELERATOR」=2016年9月1日、本田正浩氏撮影
  スタートアップが既存企業にとっては無縁で異端なものだとする考え方は、もはや世界の最先端を走る人の間にはありません。むしろ真逆で、革新的な開発に取り組む企業であればあるほど、貪欲にスタートアップのスタイルを学び、彼らとの関係構築を競っています。

 それは、猛烈に進化する最新技術に追従できる専門家やノウハウの確保が容易ではないこと、大企業になればなるほど構造的な問題から開発・商品化速度に制約が生じて必要な開発コストもかさむこと、などが背景にあります。Googleのような最先端企業ですら、さらなる革新を目指して、自社開発だけでなく積極的にスタートアップを発掘して果敢な投資や買収に取り組んでいる事実を見れば、これからの革新的な製品やサービスの開発にはスタートアップとの協業・活用が不可欠であることが良く分かります。

限られた人・資金・時間を生かすために

 新たな成長と革新を目指して、一般企業がこうしたスタートアップ流に学び、その良さを取り込むためには、二つのポイントがあります。それは徹底的な効率の追求と不確実性の許容です。 ・・・続きを読む
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筆者

山下哲也

山下哲也(やました・てつや) エバンジェリスト、山下計画(株) 代表取締役CEO

NEC・Motorolaにて携帯電話のシステム開発に従事、NTTドコモではi-mode及びスマートフォン戦略担当として各種戦略提携・スマートフォン導入にあたるなど、20年以上モバイルIT分野を歩み、2012年に独立、ITイノベーションの研究及びビジネス開発支援を行う山下計画株式会社を設立。2015年より近距離無線の国際標準規格NFCの普及に向けた活動に取り組む。2007年 マサチューセッツ工科大学 Sloan FellowsにてMBAを取得。
Twitter : @tetsu_yamashita
Facebook : https://www.facebook.com/tetsuya.yamashita.90
【2017年3月WEBRONZA退任】

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