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地球帰還した宇宙飛行士が歩けないわけ

無重力生活に奪われるバランス感覚

油井亀美也

 大西卓哉飛行士が先月、地球へ帰還しました。日本を代表して立派に国際宇宙ステーション(ISS)での仕事をしてくれたことを、私も誇りに思っています。

 今回、私はカザフスタンまで大西飛行士を迎えに行きました。1年前には、私が大西飛行士の立場で、若田飛行士に迎えて頂いたのですが、JAXAでは、前に飛行した飛行士が次の飛行士の迎えに行くのが伝統になっています。これは、直近に飛んだ飛行士はその記憶が新しいので、ミッションをしている飛行士のサポートをしやすいであろうという配慮からです。

 私が地上に帰ってきた時に一番強く感じたのは、地球の重力でした。皆さんは、地上で生活していて常に重力を感じていますから、自分の身体が重たいと思うことはあまりないと思います。もちろん、走ったり懸垂をしたりした時に自分の重さを感じられるでしょう。特に不摂生から体重が増えた時などは、身体が重いと感じるかもしれません。

帰還直後の油井飛行士拡大帰還してから約2時間後の油井飛行士。バランスをとるのが難しく、支えられながら歩いている(JAXA/NASA/Bill Ingalls)
 しかし、宇宙から帰還した際の身体の重さの感じ方は ・・・続きを読む
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筆者

油井亀美也

油井亀美也(ゆい・きみや) 宇宙飛行士

1970年生まれ。防衛大学校(理工学専攻)を卒業後、航空自衛隊に入隊、パイロットとして活躍。2009年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入り、11年に宇宙飛行士に認定。15年にロシア・ソユーズ宇宙船に搭乗して、国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間、長期滞在した。現在は、JAXA有人宇宙技術部門に所属し、後に続く大西卓哉、金井宣茂宇宙飛行士のミッション達成のための支援などに携わる。

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