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ビジネスリーダーは自然エネ100%をめざす

石炭と原発への固執が日本企業を苦しめている

大野輝之

 「RE100」という言葉を目にしたことはあるだろうか。

 「RE」はrenewable の略号で、再生可能エネルギー、自然エネルギーのことだ。昨年11月に発効したパリ協定は、今世紀後半には世界の温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを決めた。

 排出ゼロを達成するためには、エネルギー利用を効率化して削減するとともに、使用するエネルギーを化石燃料から自然エネルギーに全面的に転換する必要がある。「RE100」は、世界全体に先んじて、まず自らの企業の使う電力を率先して100%自然エネルギーに転換しよう、という取り組みのことだ。

RE100のロゴ拡大RE100のロゴ
 この「RE100」の取り組みが、世界のトップ企業の中で広がっている。アップル、グーグル、フェイスブックなどのIT企業やゴールドマンサックス、バンクオブアメリカなどの金融機関、さらにはGM、コカ・コーラ、ヒューレットパッカードなどの名だたる世界のトップ企業が80社以上も参加している。100%目標は単に掲げているだけでなく、グーグルが今年中には100%の達成を見込むなど、積極的な自然エネルギー開発や調達が進められている。

アップルとイケアが語る

 公益財団法人・自然エネルギー財団は毎年3月、世界の自然エネルギービジネスの最新の動向を伝える国際シンポ〝REvision〟を開催している。今年は3月8日に「ビジネスが自然エネルギー100%を先導する」をメインテーマの一つにして、世界のトップ企業に広がるこの動きをご紹介する。

 世界のIT企業の中でも、自然エネルギーへの転換を最も熱心に進めている企業のひとつはアップルだが、今年の〝Revision2017〟には、同社でこの取り組みを統括するケイティ・ヒル氏が登壇し、アップルが「なぜ、どのようにして」、自然エネルギー100%に取り組んでいるかを語る。同じく、RE100を進めるイケア・ジャパン代表取締役社長のヘレン・フォン・ライス氏からも同社の取り組みをご紹介いただく。

昨年3月に開催されたRevision2016拡大昨年3月に開催されたRevision2016

 「RE100」には、欧米だけでなくインドや中国の企業も参加しているが、残念ながら現在までのところ、日本企業は参加していない。

 こう書くと、日本企業は自然エネルギー導入に関心が薄いのか、と思われるかもしれないが、 ・・・続きを読む
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筆者

大野輝之

大野輝之(おおの・てるゆき) 公益財団法人自然エネルギー財団常務理事

東京大学経済学部卒。1998年より東京都の環境行政を担当し、ディーゼル車排ガス対策、「温室効果ガスの総量削減と排出量取引制度」の導入など、国に先駆ける都の環境政策をリードした。2010年7月から3年間、東京都環境局長を務める。2013年11月より現職。2014年、カリフォルニア州からハーゲンシュミット・クリーンエア賞を受賞。著書に『自治体のエネルギー戦略』(岩波新書)など。

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