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島々の未来を左右する地球温暖化問題

那覇市はクリスマスイブに夏日

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 那覇は昨年12月24日に気温25.5度を記録し、翌日の琉球新報は「クリスマスイブなのに……那覇で26年ぶり夏日」と報じた。その日は東京から久しぶりに沖縄を訪れた友人夫妻と居酒屋でテーブルを囲んだのだが、店ではクーラーをかけていた。沖縄は昨年、年間を通じて暑かった。

拡大梅雨明けした沖縄=2017年6月22日、沖縄県糸満市
 9月2日付けの琉球新報は、「8月の沖縄地方の平均気温は平年より1.4度高く、統計を取り始めた1946年以降、8月としては過去最高となった。降水量も平年比19%にとどまり、46年以降で最少の8月だった」と報じた。農家にとっては大変な異常気象で、この記事には雨乞いの幟の写真が添えられていた。また10月7日には最高気温33.0度を那覇で観測したが、これは10月の気温としては102年ぶりの記録更新であったと、翌日の琉球新報は報じている。

 その一方で12月26日の沖縄タイムスは、25日の沖縄気象台の予報に基づき「県内寒〜いお正月、猛暑一転大陸から寒気、ペルー沖『ラニーニャ』発生」と報じた。ラニーニャ発生時は、日本周辺で西高東低の冬型の気圧配置が強まりやすく、気温が下がる傾向がある。猛暑の夏とは打って変わって今冬の冷え込みはかなり厳しいようだ。沖縄生活18年。温暖な気候で鈍りきった体にはこたえそうだ。

気候変動に脅かされる島々

 沖縄は日本の最南端に位置する亜熱帯の島嶼であるが、その更に南には、ツバル、マーシャルなどの地球温暖化に伴う海面上昇でその存続が脅かされている大洋州の島々がある。筆者は2000年に沖縄大学に赴任して以来、沖縄と大洋州の島々の環境分野での国際協力にかかわってきた。これら大洋州の島々にとって最大の環境問題は日本では地球温暖化として語られることの多い気候変動の問題である。

拡大トンガ王国の主島トンガタプ島の降水量の推移。赤色はエルニーニョ現象の年
 地球温暖化は気候変動の一側面であり、「降れば土砂降り、降らなければ大干ばつ」という降雨パターンの変化も気候変動の重要な要素である。上の図は南太平洋のトンガ王国の主島トンガタプ島の降雨量の経年推移を示したものであるが、 ・・・続きを読む
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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

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