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第2回 高橋洋一・嘉悦大教授(下) 役所の発表では分からない真実

大鹿靖明 ジャーナリスト・ノンフィクション作家(朝日新聞編集委員)

 ――ところで、財政再建の正しい道とはどういうものですか。

「ここでプライマリー収支を黒字化していけば落ち着く」と話す高橋洋一氏
「ここでプライマリー収支を黒字化していけば落ち着く」と話す高橋洋一氏

 経済成長を高めること。これでおしまい。

 経済成長を高めればプライマリー収支の改善は後からついてくる。実績も理論もある。だが財務省は絶対にこれを言わない。

 ――しかし1000兆円の債務残高があるじゃないですか。

 わかっていないね。それは無知の話。1000兆円の債務をゼロにしようとする国はありませんよ。1000兆円の債務はGDPの比でコントロールすればいい。その比率を大きくしない。それが財政再建の定義です。数学的用語でいう「発散する」という状態に陥らせない。債務残高÷GDPという値を大きくしない。いま、これが200%あります。

 ――200%というのはすごく大きいじゃないですか?

 でも今だって破綻していないじゃない? だからこれから下げればいいじゃない? ちなみに200%よりももっと大きくなっても破綻しなかった国はありますよ。かつての英国は250%だったからね。

 それに政府のバランスシートを左側の資産も含めて考えると、だいたい日本は100%でアメリカと一緒です。確かに先進国の中では高いほうだけれど、べらぼうに高いというわけではない。ですから、ここでプライマリー収支を黒字化していけば落ち着きますよ。
私はもともと数学科の出で、数学使って分析して、真理みたいなことしかしゃべっていないもん。

 ――ところで財務省の「歳出権拡大行動」とは困った行動原理ですね。

 それは財務省の性みたいなもの。カネを集めてそれを配ることで相手に恩を売っている。その見返りもある。官僚の無謬性もあって、

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