メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

[7]卵子老化と「ウミドキ」を見つめて

横田由美子 ジャーナリスト

気づいた時には

 「ウミドキ」という言葉がある。

 仕事が忙しい時期を乗り越え、ある程度ポジションが落ち着いてようやく、「出産」や「子育て」を考えることができるようになるのが、今の日本で働く女性の現実だ。

 特に、安倍政権の掲げる「女性の輝く社会」の流れを受けて抜擢されるような、最前線で働くアラフォー女子たちは、若い頃も、そして今も「ウミドキ」からは遠い。

 さらに不幸なことに、この世代の女子たちは、思春期から老年期にいたるまでの女性の身体の変化に関する知識が薄い。しっかりとした保健教育を受けてきていないのだ。

「女と男のディクショナリー HUMAN+」という冊子「女と男のディクショナリー  HUMAN+」
 「生理がある間は、性交渉さえすれば子どもが産めると思っている女性が少なくないのです。ところが卵子は、35歳を境に急速に老化していく。気づいた時には“手遅れに近い状態”という患者さんはたくさんいます」

 と、多くの不妊専門医は嘆く。

 こうした現状を改善しようと、日本産科婦人科学会が

・・・ログインして読む
(残り:約2324文字/本文:約2755文字)