入らないのが夫のだけだとは!
2017年04月14日
『夫のちんぽが入らない』(こだま著、扶桑社)というのは小説のタイトルで、この「ちんぽ」が問題になって朝日新聞では書名を出さない広告が出た、とか話題になっていた。
話題というからには売れてんのかとランキングを調べるためにAmazonを見てみたら日本文学で3位、全体で65位につけていた! Amazonのランキングなんて1時間単位で変わるそうでこの順位も下がったが(上がるかもしれないけど)とにかく話題にもなり売れてもいる。5刷り13万部だそうだ。それでも、私の身近な人でこの本を買って読んだ人はいないので、ご紹介しようと思います。
私はてっきり、ちんぽ、および夫との性交について書かれた純文学というか実験小説なんだと思ってました。だって『夫のちんぽが入らない』ってタイトル、すごいポップじゃないですか。
ネットとかに引用された部分も「でん、ででん、でん。まるで陰部を拳で叩かれているような振動が続いた。なぜだか激しく叩かれている」(←この部分の引用をいろんなところで見た)なんて書いてあって、これもポップな描写で、次のページをめくったら「ある朝目覚めたらちんぽになっていた。私は頭からでん、ででん、と」みたく続くんだとばかり思ってましたよ。
それがそうじゃなかったです。もっとしっとりというかじっとりした話でした。というか私小説? 北の国のど田舎の文化もない町で強圧的独善的気分屋の母親に育てられた内向的かつ自己評価の低い「私」が大学入学を機に一人暮らしを始めたアパートで同じ大学の男と知り合い両思いになって結婚して夫婦で教師になって、という生活。その中で夫婦なのに「夫のちんぽが入らない」ということが何かあるたびに浮上してくる、という話。
ほんと、わりとよくある陰気な自分語り。文章はするする読めるのできっとうまいんだと思う。でもするする読みながら疑問もするする湧いてくる。
夫のちんぽが入らないのはいい。そういうことはよくあることです。というか最初からそう入らないだろう。しかしベビーオイルを塗るやらメロンの香りのラブローションを塗るやらしてもどうしても入らない、入れようとすると裂けて血が出る、やってもやっても出る、というところで私はうんざりしてきた。いらいらして、本に向かって声出して尋ねた。
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