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北九州&アジア全国洋舞コンクールの多様性(上)

アジア各国から参加者が集い、障がいを持った人や90歳代も踊る

菘あつこ フリージャーナリスト

バリアフリーの部門で受賞した台湾から参加の徐婉琪さんと呂富和さんによる「穿越」=2017年8月20日、北九州市、撮影・古都栄二(テス大阪)バリアフリーの部門で受賞した台湾から参加の徐婉琪さんと呂富和さんによる「穿越」=2017年8月20日、北九州市、撮影・古都栄二(テス大阪)
  バレエをはじめとしたダンスのコンクールというと、プロダンサーを目指す人や、既にプロとして活躍しながら更なるステップアップを目指す若手が競い合う、というのが基本的な形だと思うが、今、国内でコンクールがどんどん増えるなか全国を見渡すと、そういった従来の常識にとらわれない様々な形のコンクールが出てきている。そんな多様性のハシリ、しかも、とても意義のある試みのハシリとして続けられているのが「北九州&アジア全国洋舞コンクール」ではないかと思う。

  1991年(平成3年)から隔年開催で、今夏、第14回を迎えたこのコンクール、8月17日~20日に北九州芸術劇場大ホールで行われた。北九州市を拠点に黒田バレエスクール・ダンスカンパニーを主宰し多くの振付作品に意欲的に取り組んでいる黒田呆子(あきこ)が立ち上げ、今も実行委員長を務める。立ち上げ当初は、まだコンクール自体、全国を見渡しても数えるほどしかなかったと思うが、その頃から他とは違う取り組み、多様性へ果敢に挑戦し続けてきた。

  A部門のクラシック・バレエ、B部門のモダンダンスはコンクールの王道、それは外さずにあり、実力派の若手が挑戦している。まず驚くのは、C部門のヴァリアス。これは、民族舞踊、児童舞踊、フラメンコ、ジャズダンス、舞踏……分野を超えてもOKという部門。今年8月20日に行われた審査を観ると

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