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W杯メンバーを占う人選はチームの熟成より駒選び

サッカー日本代表に本田圭佑が復帰、中島翔哉は初選出

増島みどり スポーツライター

 3月23日にアフリカのマリ代表、27日にウクライナ代表(ともにベルギー・リエージュ)と国際親善試合に臨む2018年最初の日本代表が15日、JFAハウス(東京文京区)で発表された。両国はW杯ロシア大会には出場しないが、マリはグループリーグで日本が対戦するセネガル、ウクライナはポーランドを仮想して選ばれたカードになる。

  W杯イヤー最初の代表が、5月31日に予定されるW杯メンバー23人を占えるものに直結するのか、それとも、さらに新たな、或いはこれまでのメンバーが加わるのか。今遠征に臨む26人による「2018年版初リスト」には、W杯のためのいくつかのカギがあるようだった。

  W杯最終予選の最終戦、昨年9月6日のサウジアラビア戦(ジッダ)以来の復帰となったFW(右ウイングで発表)本田圭佑(メキシコ・パチューカ)の復帰のカギも長い会見の中で何点か上げた。

  「1年前のパフォーマンスを信頼するより、今のコンディションを重視する。(FWは)点を取り、点を取らせるFWを選んだ。W杯ではFKが決定的な状況を作り出すので、非常に重要になってくる」(15日の監督の会見から)

  ケガもあって一時コンディションを落としたベテランは、今年に入ってペースを急速にあげている。標高1600メートル以上を心肺に影響をもたらすなどの科学的見地から「高地」と呼ぶ。パチューカは2400メートルあり、非常に難しい環境に完全に慣れた面も大きい。年明けから11試合に先発しうち9試合でフル出場。4得点5アシストは「点を取り、取らせるFW」の条件を満たしたといえる。また、15日発表された代表で、本田は今年唯一人FKを決めている。

  意外にも、日本代表の直接FKによるゴールは、2013年9月、遠藤保仁(G大阪)が親善試合グアテマラ戦(3-0)以来4年6カ月もない。セットプレーによる得点比率を考えるとW杯での1本への期待は大きく、代表に欠けた部分を把握し、2度と呼ばれないかもしれないと思われた状況を逆転したパフォーマンスに本田のキャリアがにじむ。

ドリブルで前進するFC東京時代の中島翔哉=2017年3月4日、味の素スタジアムドリブルで前進するFC東京時代の中島翔哉=2017年3月4日、味の素スタジアム
  A代表は初選出となった中島翔哉もポルトガルのポルテイモネンセに昨年移籍後、9ゴール6アシストをマークし「点を取り、取らせるFW」の条件をトップでクリアした。リオデジャネイロ五輪代表は、Jリーグでは50試合に出場して6点。ポルトガルへ移籍後、自身キャリアハイの9点をあげており、「ドリブルでの爆発力をこれだけ持っている選手は日本にはいないのでは」と、本大会への滑り込みに監督は期待する。
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