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小池知事、都議選での過半数獲得へ向けて準備着々

公明・民進も知事との連携を模索、千代田区長選が大きなカギに

児玉克哉 社会貢献推進国際機構理事長、インドSSI大学国際平和創造研究センター所長

朝日新聞のインタビューに答える小池百合子知事=東京都庁
 小池百合子氏が東京都知事選に当選したとき、議会がほぼオール野党であり、都政運営が難しいと予想された。小池知事の初都庁の状況はまさに象徴的であった。通例であれば都議会議長、副議場が並び、各会派の代表者が出迎えるのが都庁セレモニーである。しかし、そこに出席した議員はかがやけTokyoの3人だけであった。特に都議会のほぼ半数を占める最大会派の都議会自民党は、控室への知事の挨拶回りでも、幹事長と政調会長が欠席し、小池知事との全面対立をにおわせた。選挙に勝ったからといって「知事の思い通りにはならないぞ」という意思表示とみえた。

 しかし都民やメディアからの小池フィーバーは止まることがなく、都政改革を実行しようとする小池知事に対する利権集団の都議会自民党、というイメージが定着した。あまりに単純化されすぎた感はあるが、まだしばらくこの構図は続きそうだ。現在のところ都議会自民党は多くの議席を占め、決定権を握る会派である。しかし、今年は都議会選挙の年であり、数の上でも大きな変化がありそうだ。

東京都議会の会派構成

 都議会選挙の年をむかえて、大きな変化が訪れつつある。小池知事にとってのオール野党の枠が崩れつつあり、今の段階でも議会が小池準与党と小池野党で真っ二つになりそうな状況だ。

変化1.自民党会派から小池支持派の分裂

 昨年末に、都議会自民党から都議3人が離脱届けを高木幹事長に提出した。自民党の党籍を抜くことなく、新たな会派の設立をするとみられている。問題はこれが3人でとどまるかどうか、だ。すでに都議会自民党を離脱しようとしている議員は10名を超すという見通しもある。2月、3月と都議会選挙が迫ると、離脱議員はさらに増える可能性がある。注目したいのは各議員の後援団体の会員の声だ。彼らの中には、支援している議員が「利権保守」議員とみられるのではなく、小池知事と「改革」を進める方向に向かうことを望む人が少なくない。後援会の中から、方向転換を求める声が出ている。選挙を前にして、支援者の声は非常に重い。20名程度の議員が都議会自民党を離脱して、新会派「新風自民党」に合流してもおかしくない状態だ。

 一つのポイントは2月投開票の千代田区長選だ。自民党は、元財務相の与謝野馨氏のおいで会社員の与謝野信氏を擁立する予定と報じられている。小池知事は現職の石川雅己氏を支援する意向を示している。どちらが勝利するかによって、都議会自民党からの離脱議員の数は変動するだろう。

変化2.都議会公明党の小池知事との連携模索

 国政においては、自民党と公明党は連立政権を形成しており、関係は強固なものになっている。しかし都議会においては、都議会自民党と都議会公明党の間に溝ができつつある。公明党において都議会の位置づけは高く、

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