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IoT(モノのインターネット)はどこがすごい?

未来予測の手段となって巨大市場を生み出す

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

良く分からないIoT

米国の家電見本市で発表されたセレボのスノーボード用金具「XON(エックス・オン)」。上手に滑れているか光って知らせたり、タブレット端末でチェックしたりできる=1月5日、米ラスベガス ,高木真也撮影
 IoT(Internet of Things=モノのインターネット)がブームである。新聞や雑誌では、毎日のようにIoTが取り上げられている。1月初めにラスベガスで開催された家電の見本市Consumer Electronics Show(CES)でも、IoTとそれに関係するウエアラブル端末で溢れかえっていたようである。

 ところが、IoTとは何かが今一つ良く分からない。

 なぜ、あらゆるモノとモノがネットでつながる必要があるのだろう。IoTに懐疑的な人は私の他にもいる。

走った距離や走行ルートを記録し、スマホで確認できるペダル。位置情報を送るため、盗まれても追跡できる=米ラスベガス、宮地ゆう撮影

 例えば、米国の電機電子業界誌EE Timesの吉田順子記者は、「IoTを考える―洗濯機とグリルの通信に、意味はあるのか」という題名でIoTを批判する記事を書いている(EE Times 2014年7月22日)。

 また、「米シスコシステムズによるとネットにつながる機器の数は15年に250億個、20年に500億個に達する見通し。米IDCの予測では、関連機器やソフト、サービスの市場規模は20年に7兆650億ドルに膨らむ」(日経新聞2014年6月17日)と報道されているが、IoTによって、どうしたらこのような巨大市場が生まれるのか納得がいかなかった。

IoTは未来を予測する

 そのような中、

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