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自衛隊配備と切り離せない地下水の問題

宮古島市長選で配備容認の現職が当選、「オール沖縄」には痛手

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 1月22日、宮古島市長選が行われ、現職の下地敏彦氏が3期目の当選を果たした。

 4人の候補が争う中で、次点の奥平一夫氏と375票差という僅差(きんさ)の勝利であった。最大の争点は陸上自衛隊の配備を容認するか否かで、下地氏は、自身の当選が「配備容認の市民の意思表示となる」としている。

 4候補の中で最も鮮明に陸自配備反対の姿勢を打ち出していたのは奥平候補であり、同候補の応援には翁長雄志・沖縄県知事も入っていたが、市政交代とはならなかった。

 最大の敗因は、「オール沖縄」の候補を統一できなかったことであろう。沖縄には11市あるが、「オール沖縄」で知事と共に辺野古反対の姿勢を明示している市長は、名護市長と那覇市長の2人だけだ。今年ある3市(宮古島市、浦添市、うるま市)の市長選の初戦が宮古島市長選であり、これを落としたのは辺野古新基地反対の「オール沖縄」にとって痛手だ。

宮古島の陸上自衛隊配備計画宮古島の陸上自衛隊配備計画
 防衛省は2015年5月、宮古島の大福牧場一帯(宮古島市平良福山)と千代田カントリークラブ一帯(同市上野野原)の2カ所に、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊、警備部隊の約700~800人規模を駐屯させることを計画し、その受け入れを下地市長に打診した。宮古島の陸自配備問題は、与那国、石垣、沖縄本島、奄美など琉球弧の島々の各所で進められる自衛隊配備問題とともに、沖縄の未来を左右する重大問題であり続けるであろう。

 ここでは、この陸自配備がもたらす宮古島に特異な環境問題として地下水保全の問題について、見ていくこととする。

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