メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS
 中国が人民元の切り上げを認め、相場が実際に動き出したのは、予想通りである。そのように年初から多くの経済専門家が予測していた。筆者が先日インタビューしたジェフリー・サックス教授(米コロンビア大学)もそういう見解だった。だから、なんの驚きもない。すでに米中間で「強制しなければ自主的に上げる」と暗黙の了解ができていたことは、あまりに有名である。人民元に関する米中暗黙合意に関するワシントン特派員の特ダネをはじめとする朝日新聞の記事をよく読んでいた人なら中学生でもわかる、といったら言い過ぎだろうか。

 中国が引き上げに踏み切った理由には、政治的なものと、経済的なものとがある。政治的な理由とは、米議会などに根強い「中国が為替相場を不当に操作して人民元を操作している」という批判をかわすためだ。米国では、中国からの輸出が米国の経常赤字につながっていると誤解しているひとが多い。それは、因果関係をよく考えないことからくる誤解である。 ・・・ログインして読む
(残り:約1229文字/本文:約1641文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

小此木潔の記事

もっと見る