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「成長に優しい財政再建」~魔術は奏功するか~

浜矩子

浜矩子 同志社大学大学院教授(国際経済学)

 G20のトロント・サミットが終わった。討議の過程で面白い言葉が出現した。「成長に優しい財政再建」という言い方である。人間は、追い詰められると様々な奇案・妙案を思いつくものである。

 成長に優しいことと、財政再建を目指すことは基本的に二律背反だ。成長促進的であろうとすれば、どうしても財政は公共事業を増やしたり、減税を打ち出す方向に向かう。これは、財政再建とは逆行するやり方だ。逆に、財政再建を優先課題にすれば、公共事業を切り詰めたり、増税を敢行しなければならない。これでは、成長に優しくすることは出来ない。

 ところが、これからは成長に優しい財政再建を目指すのだという。この言い方を注意深く吟味して頂きたい。

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筆者

浜矩子

浜矩子(はま・のりこ) 同志社大学大学院教授(国際経済学)

同志社大学大学院ビジネス研究科教授。エコノミスト。専門は国際経済学。1952年8月3日東京都生まれ。1975年一橋大学卒業、三菱総合研究所入社。90年より98年まで同社初代ロンドン駐在員事務所長。帰国後、同社経済調査部長、政策経済研究センター主席研究員を経て2002年10月より現職。「グローバル恐慌~金融暴走時代の果てに~」(岩波新書、2009年)、「ユーロが世界経済を消滅させる日」(フォレスト出版、2010年)など、著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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