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日本はタイタニック号になったか

一色清

一色清

 消費税引き上げを掲げた民主党が敗れた。何をもって敗北というのか、という問題はあるが、過半数に遠く及ばなかった結果は、今後の政局の混乱を予想させ、敗北と言うしかないだろう。

 また、消費税で敗北したと言えるのか、という問題もあるが、菅首相が消費税を口にしてからの支持率の落ち方と「みんなの党」の躍進を見れば、消費税が大きく影響したと言うほかないだろう。

 私は、将来、歴史を振り返ったとき、この参院選は極めて重要な選挙だったと言われるのではないかと思う。私の予想が外れることを願うが、日本が財政破綻により窮乏に沈む決定的きっかけになった、と言われる可能性を否定できない。

 消費税引き上げがこれでダメになったとは、言えない。同じように消費税引き上げを主張している自民党との大連立や、消費税を全否定していない公明党やみんなの党との連立、あるいは、消費税を対立軸にした政界再編など、消費税引き上げへの道を想像することは、まだ十分に可能である。

 ただ、選挙戦の流れというのは恐ろしい。自民党も公明党もみんなの党も、連立しないとの踏み絵を踏まされ、とてもすぐに連立に動けそうにはない。仮に、ある時期、連立が成就したとしても、枠組み作りに時間をとられれば、次の総選挙までの最大期間である3年をフルに使って法案をまとめることは、時間的に難しくなる。何より、「消費税を掲げて戦えば勝てない」ということが骨身にしみれば、本当に法案を掲げて総選挙を戦うという蛮勇をふるうことができるのだろうか。極めて心配だ。

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