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寺島実郎の視座 どうみる世界の中の日本(2) ~特別インタビュー~

一色清

一色清

 ――日本という国が、この20年ぐらいの大変化に頭の切り替えができていない部分は、他にも色々あると思います。特に経済的なことが大きいのではないでしょうか。今はもう経済が完全に右肩上がりから横ばい、そして下がっているにも関わらず、未だに右肩上がりの発想をしているようです。この20年ぐらいの大変化についていけてない典型的な国が日本なのではないかという感じがしますね。

 「その通りですね。日本人は国際的な自分自身の国の立ち位置というのについてしっかり考えないといけない。そういう中で、この日本が停滞し、衰退しているじゃないかという点を考える時に、ネットワーク型の視界ということがとても大事になるのです」

 「これは自分の本の宣伝する意味で言っているわけではありませんが、私が今年の初めに出した『世界を知る力』(※)という本が驚くほど売れています。その本の中でまさに私が主張しているのがネットワーク型の世界観。中国が中華人民共和国単体として発展しているのではなくて、中国と香港とシンガポールと台湾という、いわゆる中華系の人々が暮らしている地域との連携によって、ネットワーク型発展の中で飛躍していっているのだという視点を提示したわけですよ。その同じ視点で日本を考えてみる必要があります」

 「例えば近隣の韓国にここのとこ日本が押し負けているという被害者意識がものすごい勢いで高まっています。なにも浅田真央ちゃんの話だけじゃなくてね。サムソンにおされているとか、UAEの原子力発電受注で敗れたとか、危機感をもって語られるわけですよ。しかし、例えば、日本の去年の貿易収支を見ると、韓国と台湾に対して、それぞれ2.4兆円、1.7兆円の輸出超過ですね」

「そして、シンガポール、台湾、香港と中国を合わせた大中華圏については、4兆8千億円の輸出超過。米国に対する3.2兆円をはるかに凌駕する。この大中華圏の4兆8千億円の輸出超過と、韓国に対する2兆4千億円を合わせて7兆2千億円の輸出超過というのは、対米輸出超過の倍以上です。われわれ日本の不況といわれる中で、この国が近隣諸国に対する輸出を糧に生きているわけですよね」

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筆者

一色清

一色清(いっしき・きよし) 

【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。

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