竹信三恵子
2010年08月03日
2011年3月に卒業予定の大学生・大学院生に対する民間企業の求人倍率が、2001年以来の水準に下がった。01年は「就職氷河期」といわれた時期だが、その水準に逆戻りしたとわけだ。
景気が悪いからしかたない、という見方もあるだろう。だが、問題は、業績が悪くて採用できないというだけではなく、企業が即戦力になるような学生を選りすぐって採用する「厳選採用」へと変化してきたことだ。
03年のころ取材で出会った24歳のフリーターの男性は、四年制大学を卒業し、就職難をかいくぐって大手化学企業に入社した。ところが、半年の研修を経て、工場のパート労働者のまとめ役になった。社内のことなどほとんど理解していないのに、年配者を含む熟練パートをまとめねばならず、ストレスから体調を崩し、退職に追い込まれた。
有料会員の方はログインページに進み、デジタル版のIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞社の言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください