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「電気自動車=エコカー」を幻想から真実にしよう

小此木潔

小此木潔 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

 2年前、ベルリンで緑の党の国会議員と議論したことがある。彼は「エコカーの名に値するのは電気自動車だ」といい、私は「燃料電池車だ」と主張して、議論はかみ合わなかった。私はいまでもそう考えている。

 電気自動車が究極のエコカーであるかのごとくみなすのは、やめたほうがいい。それは幻想である。もちろん、走行中に温室効果ガスをいっさい出さないという電気自動車の良さはある。それを認めた上で、その限界をもきちんと知ることで、究極のエコカー時代への道を切り開くことができる、と私は考える。

 電気自動車の出力や走行距離がハイブリッド車などに比べて見劣りするのは仕方ないとして、私が問題にしたいのは「電気自動車に充電する肝心の電気はどうやって発電するのか」ということだ。その電気が火力発電でまかなわれる限り、その車は化石燃料を燃やして走っているのと同じことだ。

 せいぜい、個々の車がガソリンを燃やして走るよりも、最新鋭の火力発電の方がエネルギー効率は良く、その分だけ、ちょっぴりエコである、という程度のことではないだろうか。

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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