【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
一色清
――総理大臣がころころ変わるという話も含めて、日本の根本的な仕組みの問題があるんじゃないかなという感じがしています。
「日本がどうして総体的に一番沈下していると見えるかというと、ガバナンスの欠落なのだと思います。現代日本を生きているあらゆる知性というのが、日本の抱えている問題に対して、歯車がかみ合うように立ち向かっているかというと、そうじゃないところにこの国の弱さがある。例えば、私は大学の学長をやっているから感じますけども、若い日本の優秀な人たちは、かつての、例えば明治時代ならば、国家の目標と、所属している企業の目標と、個人の目標が一気通貫のようにつながっていて、『俺が頑張ることが企業、そして国を豊かにし、成功させるんだ』という疑いのない、『坂の上の雲』の時代があった。秋山真之は『自分が一日怠ければ、日本は一日遅れる』というような言葉も残しています。だけど、今こういうことを言ったら、完全な誇大妄想だと思われる」
「それほど自分の周りの私生活と、自分の個人目標のところでしか、燃焼できない国を作ってしまったのです。60年安保のことでこの間学生と議論していたら驚きました。樺美智子さんが6月15日国会デモで亡くなったと言ったら、『どうして女子大生が国会なんかに行って、死んじゃったんですか』というような感じなんですね」
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