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【アジアな目】学校で必要なのは中国語、韓国語だ

小原篤次

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 8月6日のウォールストリートジャーナル(アジア版)は1面と14面で、楽天の三木谷浩史社長が2010年6月中間連結決算の発表を英語で行ったことなどを詳細に伝えた(朝日新聞記事へのリンク)。米国留学英語能力試験のTOEFLの平均スコアで、日本が、シンガポール、中国、インドなどBRICs4カ国、南アフリカ、韓国、香港などと大きな差があるグラフも付けられていた。7月17日のWEBRONZAで指摘したとおり、「英語ができない日本人」という評価は定着している(WEBRONZA記事へのリンク)。

 楽天にしても、これまで英語の強化を怠ってきたわけだ。この記事は丁寧に書かれているものの、アジアで読めば、周回遅れの議論にしか見えない。

日本の人件費は不動産よりコストだ

 外資系企業は、日本で英語ができる人件費の給与が高すぎると考えている。日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施する「対日直接投資に関する外資系企業の意識調査」(PDF資料へのリンク)では、ビジネスの阻害要因として、人件費や不動産のコスト、人材確保の難しさが上位に並んでいる。1995年の調査開始時点では、人件費が52・6%、不動産が38・5%、語学堪能者など人材確保の難しさが40・4%だった。2007年調査では、コストを問題視する回答割合は減少したものの、人材確保の難しさが割合を高めた。アジアの統括拠点のために克服すべき条件の1位は、優れた人材の増加だった。

 外資系企業は、看護士受け入れと違い、非漢字圏のインドネシアやフィリピンの人に対して、わざわざ日本語による筆記試験を求める必要はない。実務経験、英語、日本語などを職種のニーズによって採用する。ケース・バイ・ケースだ。

 例えば、外資系運用会社は、投資信託の国内金融機関向け販売の仕事なら日本語を重視するが、世界の公的年金、政府系ファンド、中央銀行、富裕層などを顧客とする運用責任者(ファンドマネジャー)が調査担当者(アナリスト)を採用する場合、分析力、英語力による説明力(プレゼンテーション)、時差などに負けないタフさを求める。若さも必須条件だ。

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筆者

小原篤次

小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】

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