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 米国経済の先行きに黄色信号が灯り始めた。しかし、失業率は昨年10月の10.1%をピークに緩やかに低下している。直近の本年6~7月は2カ月連続して9.5%だ。水準は1983年半ば以来の高さであり、依然として雇用情勢は深刻であるものの、低下傾向が続いている。この動きをどのようにみれば良いか。

 昨年末来の推移を素直にみれば、雇用情勢は改善に向かっている、あるいは少なくとも悪化に転じているとは言えないという評価が可能だ。しかし一歩踏み込んでみると、そうした認識は正しくない。

 まず、失業率が本年5月の9.7%から低下した主因が失業者数の減少ではないことだ。確かに失業者は6月に前月比35万人減り、7月同2.4万人減った。しかし、就業者数は6月に同30.1万人減り、7月同15.9万人減っている。5月からの減少数を6~7月で合計すると、失業者の37.4万人に対して、就業者は46.0万人だ。

 就業者は失業者を上回って減った。雇用情勢が好転した訳ではない。それにも拘わらず、失業率は低下した。そのメカニズムは次の通りである。

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筆者

藤井英彦

藤井英彦(ふじい・ひでひこ) 株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト

【退任】(株)日本総合研究所 理事/チーフエコノミスト。83年東京大学法学部卒業。同年住友銀行入行。90年より(株)日本総合研究所、11年から現職。共著に「オバマのアメリカ 次なる世界経済の行方」(東洋経済新報社)、「2006 図解 日本総研大予測」(徳間書店)、「図解 金融を読む辞典」(東洋経済新報社)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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