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 円高対策として、小手先で為替相場を操作するようなやり方を考えてはいけない。

 その意味では、日銀が8月30日の金融政策決定会合で決めたいわゆる新型オペの拡大などによる「金融緩和の強化」策はまっとうな手法として評価したい。ただし、円相場が大幅に円高に振れる局面での市場介入は拒否すべきではないし、むしろ単独介入であってもそれを辞さないという強い決意を日頃から示しておくことが政府・日銀にとっては大切だ。

 投機家に足元を見られないということも、市場との対話の一環であり、あまりに超然としていてはいけない。また、今回の経緯を考えるとき、菅首相および財務省と日銀の意思疎通や連携にはお粗末なところが目立った。そこは反省して次に生かしてもらわなければいけない。

 この意味で、30日の日銀の決定はとてもほめられたものではない。

 「金融緩和を」などと中央銀行の独立性を無視したような口ぶりで求める首相も首相だが、首相にそんなことを言われる前に的確な情勢判断をして独自の決定をする余地はあったはずだ。そうしていれば、市場と首相に追い込まれて臨時の政策決定会合を開くようなことにはならず、日銀の独立性をもう少しまともな形で守ることもできたのではないか。

 さて、今回の「金融緩和の強化」策それ自体はまともな策だったと評価はしたが、 ・・・ログインして読む
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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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