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成長戦略の肉付けで、民間の投資を引き出せ

小此木潔

小此木潔 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

 雇用を生み出すには、政府や自治体が税金を使って直接に雇用するというやり方はあくまでも例外的で、当然ながら基本は民間企業が設備投資を増やすなどして事業を拡大しやすくなるよう、政府や自治体が政策で環境を整え、後押しするということである。

 とすると、企業の積極的な活動を引き出す政策とは何か、ということになるが、そこが簡単ではない。法人税を引き下げることがその手段として浮かんでくるし、それはそれでぜひやりたいが、それをやりさえすればいいというものではない。多くの企業が萎縮しているのは、期待収益の崩壊・不振という現実に直面しているからだ。今後の展望が開けない。だから縮こまっている。そこを突破するには、①今後はこうした方面で消費が伸びる②こうした分野にもっと力を入れないと、生き残れない…といった動機付けを自然に行うことが肝心ではないか。

 まず有効なのは、政府がすでに打ち出した新成長戦略の肉付けや前倒しを急ぐことである。

具体的には、

(1)環境・エネルギー分野の規制改革や新制度づくりなどを進め、グーリーンな低炭素経済への投資を引き出す

(2)医療・介護・保育などの分野での補助や規制改革を通じて市場参入や新規設備投資、技術開発を促す

(3)アジアなど各国との自由貿易協定(FTA)締結を進め、新幹線網などインフラ輸出も含めてアジアの需要拡大・成長と日本経済を強固にリンクさせる、といったことだ。

 (1)(2)(3)のそれぞれが有機的な関連を有している。

 たとえば、

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で記者をしてきた。近年は日本の経済政策や世界金融危機など取材。2009年5月から東京本社論説委員室勤務、11年4月からは編集委員も務め、14年4月から現職。著書に「財政構造改革」「消費税をどうするか」(いずれも岩波新書)、「デフレ論争のABC」(岩波ブックレット)。

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