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 最近、日中間において「尖閣諸島」(魚釣島)関連問題で衝突がヒートアップしている。近年に稀に見る緊張感が走っているのだ。しかも、日中双方も態度を硬直化させており解決の糸口さえ見えてこない。日本側が「尖閣諸島」が固有領土であり、領土問題が存在していないことを前提に該当事件を国内法に基づき粛々と処理する、との一点張りで事態が動がない状況に陥っている。日本のマスコミも状況を煽っており中国の国内情勢について表面上のことしか伝わってこない。

 まず、中国国内の状況について見てみよう。中国政府の態度はご周知の通りで硬くなっているが民間はもっと激しいキャンペーンを展開している。各新聞は連日一面で報道することはもちろん、民間の世論形成に大きな影響を果たしている各大手ポータルサイトも特集サイトを組んでおり、歴史から現代まで各側面から尖閣諸島問題を解説している。大手サイトの新浪網だけでも特集サイトのコメント欄に100万人以上がアクセスし、7万件以上の書き込みが入っている状態だ。中国の大衆はネットの詳細な資料により単純にナショナリズムではなく、かなり理論武装もされている状態だ。こういう状況の中で、日本政府の対応についてなおさら怒りを感じているのは実情のようだ。

 中国国内の論調は着目しているのは3点だ。まず、尖閣諸島が日本に編入されたタイミングだ。いわゆる日清戦争中で中国の敗色が濃厚の1895年の1月だ。中国人から見れば日本の「尖閣諸島」はどこの国に属していないという結論は列強の一角である日本の一方的な押し付けにしか過ぎないとの認識が非常に強い。いわば「強盗の論理」で、取り上げられても取り返す要求は正当性があるということだ。

 2点目も、これに関連している。要は、中国も台湾海峡などをめぐる歴史的経緯の複雑さから尖閣諸島問題に争議が存在していると自覚している。だからこそ日本の「固有領土」の一点張りの態度により強く反発しているのだ。

 そして、3点目は

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筆者

肖宇生

肖宇生(しょう・うせい) フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター

【退任】フロンティア・マネジメント株式会社事業開発部マネージング・ディレクター。1996年大阪大学経済学部、2001年一橋大学大学院経済学研究科卒業(経済学修士)。精密機器メーカーで中国携帯市場向けマーケティングを担当後、国内シンクタンクで中国市場のコンサルティング、ファンド会社で中国市場のプライベート・エクイティ投資に従事。日本総合研究所創発戦略センター主任研究員を経て、2011年4月より現職。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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