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法人税率を引き下げるために必要なこと

武田洋子

武田洋子 三菱総合研究所チーフエコノミスト

 IMF(国際通貨基金)が公表する「4条協議報告書(2010年版)」に、日米英仏独5カ国の税収対GDP比と税収の構成比率が掲載されている。

 まず、日本の租税収入の対GDP比率は、2007年時点で18%。2010年現在ではさらに低いと見られる。諸外国の数字をみると、「小さい政府」の代名詞とも言うべき英国の30%を筆頭に、米仏独は全て20~30%という水準となっている。

 つまり、単純比較すれば、日本の租税収入のGDP比率はかなり低い。ちなみにスウェーデンは約50%と、税収はGDPのおよそ半分に相当する。

 構成比をみると、個人所得税収の対GDP比率は、日本の場合約7~8%だが、米英独仏では、概ね10~15%、北欧諸国では20%近い。比較的よく知られた事実ではあるが、日本は「税金が安い国」なのだ。

 一方、経済界からは「日本の法人税率は高過ぎる」との声が上がっており、政府は、こうした声に耳を傾け始めている。確かに、米英独仏では法人税収の対GDP比は、概ね3~4%台であるのに対し、日本では6~7%となっており、前述のGDPの約半分が税収に相当するスウェーデンでも法人税収は約5%に過ぎない。

 法人税の国際比較で、税率や税収と並んで注目すべき数字は「欠損法人比率」だ。欠損法人とは要するに赤字会社のことであり、事実上、納税していない。日本では、この欠損法人が全企業数の6~7割と言われている。つまり、実際に納税している企業はごく一握りなのだ。

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筆者

武田洋子

武田洋子(たけだ・ようこ) 三菱総合研究所チーフエコノミスト

【退任】三菱総合研究所 政策経済・研究センター チーフエコノミスト。東京都生まれ。ジョージタウン大学公共政策大学院修士課程修了。94年に日本銀行入行後、海外経済の分析、外貨準備の運用、内外金融市場のモニタリング・分析、外国為替市場における平衡操作担当などを歴任。09年4月より現職。専門は国際金融、マクロ経済、公共政策。

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