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「企業を追い出す政府」の誤解解け

原真人

 「日本の高い法人税」に企業の不満はきわめて強い。これに「労働規制の強化」「温室効果ガス25%削減目標」をあわせて、経済界では「日本企業追い出し3点セット」と言われる。最近は、円高を招いた「為替政策」も加えて「4点セット」と呼ばれることもある。経営者たちは「これだけそろうと政府から『企業は海外に出ていけ』と言われているようなものだ」と言っている。

 そう言われても仕方なかろう。日本の法人税率40%はもともと先進国で際だって高い水準だ。そこに各国のさらなる引き下げの動きがあるのだから、高い税率で動かぬ日本の姿勢がよけいに目立つ。

 労働規制も、派遣規制の強化は派遣労働者の劣悪な労働環境を改善するための取り組みとして必要ではある。ただ、雇用増の展望がないまま規制強化すれば「むしろ雇用機会が減るのではないか」という不安が企業にあるし、これは実は派遣労働者側にもあるのだ。

 地球環境問題では、国際貢献への政府の志はいい。だがそもそも「25%」は実現可能な目標か。それで企業はどれだけの負担を負わされるのか。そこが見えないと疑心暗鬼がつのっている。

 そんな、こんなを合わせると、たしかに民主党政権が実体経済や企業経営への配慮に欠けている、と思われても仕方ない。

 ただ、

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