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 わが国人口が減り始めた。2008年に7.9万人減り、09年は18.3万人減った。原因は少子高齢化ではない。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は、08年が▲3.4万人、09年でも▲5.9万人に過ぎない。

 主因は人口流出だ。例えば09年の▲18.3万人のうち、自然増減を除いた残り▲12.4万人はすべて国内から海外への人口流出による。国内への流入数から海外への流出数を差し引いた人口流出、いわゆる社会増減を日本人と外国人に分けると、09年では日本人が▲7.7万人、外国人は▲4.7万人だ。

 日本人の海外流出は2000年代に入り定着し、毎年10万人規模で続いてきた。例外は01年と03年の2年だけだ。01年はアメリカで9.11事件が起き、03年はSARSが流行した。しかし、いずれも翌年には再び10万人規模で流出した。

 一方、外国人は、08年まで毎年6万人前後国内に流入してきた。しかし、09年は一転して4.7万人流出した。

 根底には、国内経済の停滞と新興国の飛躍的台頭がある。就業機会が豊かだ、キャリア形成に役立つ、飛躍のチャンスに恵まれることを理由に、国内から新興国など海外へ移住する日本人が増える一方、中国人やブラジル人など就労を求めて来日していた外国人が自国に戻ったり、日本以外の国々に向かい始めたという構造変化である。

 さらに、そうした動きは、相互作用を通じて人口減を加速させるというメカニズムを生み出しかねない。

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筆者

藤井英彦

藤井英彦(ふじい・ひでひこ) 株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト

【退任】(株)日本総合研究所 理事/チーフエコノミスト。83年東京大学法学部卒業。同年住友銀行入行。90年より(株)日本総合研究所、11年から現職。共著に「オバマのアメリカ 次なる世界経済の行方」(東洋経済新報社)、「2006 図解 日本総研大予測」(徳間書店)、「図解 金融を読む辞典」(東洋経済新報社)。

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