小原篤次(おはら・あつじ) 大学教員(国際経済、経済政策、金融)
長崎県立大学国際情報学部准教授。1961年、大阪府堺市生まれ。同志社大学法学部卒、国立フィリピン大学修士。朝日新聞社、チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)、みずほセキュリティーズアジア初代株式調査部長、みずほ証券リサーチ&コンサルティング投資調査部副部長を経て現職。【2015年12月WEBRONZA退任】
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
小原篤次
プロ野球選手と一球だけ、キャッチボールしたことがある。相手は、野村克也さんだった。当時は、南海ホークスの監督兼キャッチャー。キャッチャーミットの下から、白いものが見えた。包帯かサポーターだったのだろう。40年ほど前のことだ。
プロ野球球団の経営権問題が浮上したと聞き、そんな昔のことを思い出したが、今日の経営権問題は、「やはり」という印象だ。
報道によると、横浜ベイスターズのオーナーTBSは、グループ企業の保有分を合わせて球団株の69.2%を保有している。住生活グループが、今年1月に立ち上げたグループブランド「LIXIL(リクシル)」の知名度を高める狙いもあり、前向きに検討しているという。売却を検討する理由として、「TBSは景気低迷で広告収入の落ち込みが続いており、球団売却で財務体質の強化を図るのが狙いとみられる」と説明されている。オーナーが交代し、企業名が入ると、企業名が入らない球団は広島東洋カープだけになる。http://www.asahi.com/business/update/0930/TKY201009300525.html
確かに広告収入は、景気悪化で削られやすいコストである。経営を安定させる目的なら、増資して財務体質の強化を検討すべきだろう。さらに、地元の企業や市民に対して出資を呼びかけ、株主を分散させる方法がベストである。好きな球団のために、私財を投じる横浜ベイスターズのファンはいるだろう。横浜ベイスターズが親会社の業績に左右されず、強い球団に育つだろう。
◇大リーグの球団移転を食い止めた日本人経営者◇
大リーグの球団移転を救った日本人がいる。その舞台はワシントン州シアトル。
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