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韓国家電だけの問題ではない ~製造業は過保護ではないか~

松浦新

松浦新 朝日新聞経済部記者

 韓国のテレビや携帯電話は日本にとって脅威なのだろう。ただし、それは、日本の家電業界にとっての問題で、日本経済全体を考える時には、脅威を感じるような分野の製品はさっさと縮小することが大切になっている。

 現在のデフレの原因から議論を始めたい。

 いまの日本のデフレは、買いたい人に対してモノがあふれているために起きている。要するに生産能力が過剰で、安くしないと売れないために値段が下がっている。

 国内で消化しきれなかった製造物が、海外にあふれ出ている結果として、貿易黒字が発生している。

 それは、国内メーカーだけの問題ではない。中国や韓国をはじめアジアの国々がじゃんじゃんモノを作って世界中の製造業に競争をしかけている結果、モノの値段に強い圧力がかかり続けている。中国や韓国、台湾といった比較的物価が低い国の製造物が競合する分野の製品を生き残らせるためには、国内外で価格を下げざるをえず、売れても赤字になりかねない。

 事業の赤字を解消する方法として、(1)人件費を下げる、(2)設備投資をしない、(3)その他の経費節減――といった対応が考えられる。人件費を下げれば国内の消費を冷やし、さらにデフレが加速する。設備投資を減らせば、他の産業にも影響が広がる。経費節減も同様だ。下請けをたたけば内需はさらに縮む。

 現実に、日本経済をおそっているのは、雇用の縮小と賃金カットだ。総務省の労働力調査によると、日本の就労者数の最近のピークは、07年6月の6432万人だったが、今年8月には6245万人と、約190万人減った。そして、厚労省の毎月勤労統計によると、現金給与総額は05年を100.0とした指数で、09年は95.1まで下がった。

 これを改善するのに、さらに製造業で無理な国際競争をする意味があるのだろうか。

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筆者

松浦新

松浦新(まつうら・しん) 朝日新聞経済部記者

1962年生まれ。NHK記者から89年に朝日新聞社に転じる。経済部、くらし編集部(現・文化くらしセンター)、週刊朝日編集部、特別報道部などを経て、現在は東京本社報道局経済部に所属。年金、医療をはじめとした社会保障制度に関心を持つ。金融商品や土地・住宅問題など、くらしと経済に関わる問題に関心がある。

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