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 通貨戦争などという物騒な言葉が飛び交う世界を落ち着かせるには、新たな国際合意が必要だ。

 それを「新プラザ合意」と呼んでも差し支えないかもしれない。だが、それには条件がある。プラザ合意の教訓と反省を生かすことが前提である。言い換えれば、負の側面を引き継ぐ「二の舞」であってはならないし、轍を踏むようなことではいけないということだ。世界経済の新たな段階にふさわしい内容でなければならない。

 プラザの教訓は人によって評価が分かれるところだが、私は今後に生かすためにその反省点を3つ挙げたい。それは、

 (1)急激な円高が日本に恐怖症を生み、不況対策で金融緩和に頼りすぎた結果、バブル経済とその崩壊によって長期デフレ(これが失われた20年の本質である)を引き起こした

 (2)その遠因としては、米国が為替調整を押しつけたことと同時に、日本がそれに抵抗して調整を遅らせたという事情がある

 (3)マクロ経済の不均衡を為替調整で是正する手法そのものの限界を置き去りにした

ということである。

 これを生かして現実の世界に適用すると、

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) 上智大学教授(政策ジャーナリズム論)、元朝日新聞論説委員

ジャーナリスト、上智大学教授。群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。富山、奈良、大阪、ニューヨーク、静岡、東京で取材。論説委員、編集委員を経て2014年から現職。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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