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「強い農業」で国を開くしかない

一色清

一色清

 来月に迫ったアジア太平洋経済協力会議(APEC)を前に、農業関係者の動きが急になってきた。政府がこの機会に環太平洋戦略的経済パートナーシップ(TPP)に参加しようとしていることに対する反対の動きだ。全国農業協同組合中央会(全中)は19日に反対を決議、民主党内でも100人を超える議員が「反TTP」の勉強会を開く。

 TTPは、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ブルネイの4カ国が結んでいる自由貿易協定(FTA)だ。原則例外なしに関税を撤廃するといったレベルの高いFTAであり、現在、アメリカやオーストラリアなども参加しようとしている。工業製品の競争力の強い日本としては、貿易は自由であるほどメリットが大きいことから、自由貿易を推進する協定は是が非でも結びたいところだ。

 しかし、世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドは動きそうにないし、二国間のFTAは農業問題が際だつためにとても結べそうもない。お隣の韓国は、その間、EUとFTAを結び、アメリカとも大詰め、中国とも話し合いを始めている。日本がまったく手がかりを持っていない世界三大市場に、韓国は着々と手を打ち、関税上、日本より遙かに有利な立場になりつつある。こうした状況を何とか打開しようと、日本は、WTOと二国間FTAの中間的形態の多国間協定であるTPPに目を付け、突破口にしようとしている。

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筆者

一色清

一色清(いっしき・きよし) 

【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。

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