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生物多様性と企業の責任/リコー社長の覚悟

小森敦司

小森敦司 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

 生物多様性への対応なしに企業経営は成り立たない――名古屋市で開かれている生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議=COP10)は、実はそんな命題を企業に突きつけているのだが、日本企業の多くは、植林にすこし寄付をすれば十分だ、などと考えているように筆者には思えてならない。

 だが、その命題に真摯(しんし)に挑む企業も出てきた。その事例として、COP10を前にインタビューしたリコー・近藤史朗社長の話を、このWEBRONZAでもぜひ、紹介したい。

 同社は09年、生物多様性に与えている影響を削減するとともに、あらゆる組織と連携して保全活動の輪を広げることなどを掲げた活動方針を発表した。なぜか。近藤社長はこう言うのだ。

 「森林がなくなれば、多様な生きものが織りなす営みの結果としての人間社会は、持続不可能になる。(リコーは)もうかっていればいい、という会社でありたくない。稼ぐにも、地球に対して仁義がいる」。このため、多様性に配慮していないと疑われたインドネシアの製紙会社からの紙の調達を実際にやめたという。

 「地球に対して仁義がいる」とは、なんという考え方だろう。では、「いいモノを安く、どんどん、という日本型モノづくりを見直さないといけないのか」。筆者のそんな質問に対する近藤社長の答えにも驚く。 ・・・ログインして読む
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筆者

小森敦司

小森敦司(こもり・あつし) 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

東京都出身。1987年入社。千葉、静岡両支局を経て、名古屋や東京の経済部に勤務、金融や経済産業省を担当。ロンドン特派員も経験し、社内シンクタンク「アジアネットワーク」では地域のエネルギー協力策を研究。現在、エネルギー・環境分野を担当、とくに原発関連の執筆に力を入れている。著書に「資源争奪戦を超えて」「日本はなぜ脱原発できないのか」、共著に「失われた〈20年〉」、「エコ・ウオーズ~低炭素社会への挑戦」。

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