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電気自動車の普及、ソフトウエアの蓄積必要

安井孝之

安井孝之

 今年は「電気自動車元年」といわれる。三菱自動車が「iミーブ」を発売したほか、日産自動車は12月に「リーフ」発売、国内で6000台、米国で2万台をすでに受注し、今年分は完売した。トヨタと提携した米国ベンチャー企業のテスラも近く、日本に進出する。

 電気自動車への期待が高まっているが、電池の性能向上やインフラ整備などの課題も多い。すぐにはエコカーのエースにはなれないだろう。まずは実際に使ってどこに問題があるかを探ることだ。その先にエコカーとしての発展がある。

 10月末にドイツ・シュツットガルトを訪れた。ダイムラー・ベンツの本社があるドイツ南西部の町で、100年余り昔にガソリンエンジンが誕生した町である。

 この町でも電気自動車の普及に期待が集まっている。だが、市内中心部の立体駐車場に行くと、5階部分に1カ所充電施設があるだけだった。試験的な導入だし、電気自動車が少ないから充電器を各階に設置するわけにはいかないのだろう。でも、この程度の充電器の設置では電気自動車のオーナーにははなはだ使い勝手が悪かろう。

 充電器をどの程度つくればいいのかは難問だ。日本では1台設置するのに300万円から400万円かかるという。自治体やスーパーなど流通業者が設置するケースが多いが、現状では利用料は無料のところが多い。

 現状の電気自動車をフルに充電した場合の電気料金は200円程度だから、利用料を取るにしてもなかなかビジネスとしては成り立たない。そのため、誰が負担をして、どこにどれほど設置して行くのかの合意形成が必要だ。

 都市計画の専門家によると、今後、どの程度電気自動車が増え、それに見合う充電器をどのように設置したらいいのかが、まだ見通せないという。

 自宅で電気自動車を保有する場合、

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筆者

安井孝之

安井孝之(やすい・たかゆき) 

1957年4月16日、兵庫県丹波市生まれ。経済誌「日経ビジネス」記者を経て、1988年に朝日新聞入社。自動車、流通、不動産、鉄道などの業界や財政、産業政策、通商政策などの政策を取材。2005年から編集委員、09年から論説委員兼務。著書に「これからの優良企業」(PHPビジネス新書)。

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