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 アメリカの量的緩和政策第2弾が始まった。本来、通貨供給は経済成長に連動して行われる。それに対して、経済成長を上回る通貨供給は過剰流動性となりインフレやバブルの温床になる。このところバブル懸念を指摘する見方が強まってきた。

 わが国は戦後二度も体験した。まず、1970年代半ばだ。ニクソン・ショック後、円高防止に向けた為替介入によって通貨供給が増え、その後の狂乱物価に繋がった。生活必需物資が大幅に値上がりしたうえ、株価や不動産など資産価格も高騰した。二度目は80年代後半のバブル期だ。一般物価に騰勢はみられず、資産価格だけが上昇した。

 バブル形成期には実力以上の高成長が享受される。財テクが蔓延し、過剰投資が拡がる。それがバブル崩壊後の深い傷跡になる。バブルを懸念する見方には歴史的裏付けがある。とりわけ、近年、ハイペースで成長する新興諸国の行方を懸念する見方が強い。

 しかし、新興諸国のバブル懸念は小さい。まず新興各国で利上げなど予防的措置が講じられ始めたことに加え、自律的成長モデルに転換してきたことだ。足の速い海外からの投資や先進国向けの輸出に依存した成長であれば、基盤は脆弱だ。10年前のアジア危機が端的な例だ。

 それに対して、

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筆者

藤井英彦

藤井英彦(ふじい・ひでひこ) 株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト

【退任】(株)日本総合研究所 理事/チーフエコノミスト。83年東京大学法学部卒業。同年住友銀行入行。90年より(株)日本総合研究所、11年から現職。共著に「オバマのアメリカ 次なる世界経済の行方」(東洋経済新報社)、「2006 図解 日本総研大予測」(徳間書店)、「図解 金融を読む辞典」(東洋経済新報社)。

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