城繁幸
2010年11月29日
よく、新卒採用について質問される。なぜあんなに早くに始まるのか、なぜダラダラ続くのか。そして、なぜ今年は過去最低の内定率を更新したのか。今回はそれらについて簡単に説明してみたい。
(1)なぜ就活はどんどん早くなるのか
この市場における売り手は非常に変わっていて、というかかなりいい加減で、先に自分自身の売買契約が成立してしまうと、その後の市場参加は極めて不活発になるという特徴がある。まあ、大学最後の一年、内定決まったら暑苦しいスーツなんぞ脱ぎ捨てていっぱい遊びたいという気持ちもよくわかるけれども、これは買い手としては無視できない傾向である。というわけで、買い手は常に先手を打って買い取り交渉に臨もうとし、年を経るごとに採用活動が早期化するわけだ。
逆に言うと、先ごろ採用活動の先延ばしを提言した商社は、それだけ新卒市場において圧倒的なブランド力を持っているということだ。彼らは後からスタートしても、十分に優秀層にアプローチできると踏んでいるのだろう。
(2)なぜ、就活は長期化するのか
ところで、この市場は、非常に規制の多いゆがんだ市場でもある。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください