メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

失敗恐れない挑戦に拍手

一色清

一色清

 「走行距離が短い。値段が高い。インフラが未整備。電気自動車で勝負するにはまだ早いのではないですか」という私の質問に、日産自動車のゴーン社長は「ノーノー。どこかで踏み出さないといけないのです」と答えました。「社内に慎重な意見もあったでしょう」と聞くと、「抵抗は常にあるものです。もし抵抗がなければ、それは手遅れだということです。抵抗は成功へのコストなのです」と胸を張りました。

 私は、リーフが発売される直前、ゴーン社長にじっくり話を聞くことのできる機会を得ました。私は、日産のリーフについては、成功の確信を持っていないのですが、ゴーン社長ならひょっとすると成功させるかもしれないと思ってしまいました。聞く者を魅了するゴーン・マジックに私もかかったのかもしれません。

 私が成功の確信を持てなかったのは、冒頭の質問に込めた三つの課題があるためです。このうち値段とインフラは普及が進めば克服できる課題でしょうが、走行距離が短いことは技術的なブレークスルーが必要です。リーフの走行距離は、エアコンなどの電気を使わない条件でフル充電160キロです。ふつうの条件なら100キロと考えた方が良いでしょう。ゴーン社長は「日本人のドライバーのほとんどが1日の走行距離は50キロ以下です。これからどんどん距離を伸ばしていきますが、出だしとしては十分でしょう」と言います。ただ、1台しかクルマを持たない人にとって、年に何回かの遠出のことも考えるはずです。途中で充電の心配をするくらいなら、「もう少し技術の進歩を待とう」となるような気がします。

 でも、ゴーン社長は強気です。

・・・ログインして読む
(残り:約1276文字/本文:約1951文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

一色清

一色清(いっしき・きよし) 

【退任】週刊紙「アエラ」前編集長。1956年生まれ。78年朝日新聞社に入り、経済部記者、「アエラ」編集部員などを経て、2000年「アエラ」編集長。beエディター、出版本部長補佐などを経て、08年10月から「報道ステーション」コメンテーターを務めた。「アエラ」副編集長時代には、中吊り広告下の一行コピーを担当。2012年1月まで「WEBRONZA」編集長。

一色清の記事

もっと見る