城繁幸
2010年12月03日
定義はやや曖昧だが、要するに商売の中に「社会を良くする」というエッセンスを交えた起業ということだ。国内の過疎地域や途上国の生活インフラ支援等で、そういった企業の活動がクローズアップされることが多い。
実際、マイコミの就職意識調査でも「人のためになる仕事をしたい」という学生の割合が、過去2年で5ポイントも増加している。
ただ、ビジネスの第一線でばりばり働いてきたベテランの中には、ややもすれば「金を稼ぐという最大のミッションから逃げているだけ」ととらえる向きもあるかもしれない。
筆者自身は、そういった流れは多様化の一種だと考えている。たとえば、終戦直後から高度成長期にかけては、誰もが物質的に豊かになるという共通の目標があり、ビジネスも物質的な拡大だけを目指していれば良かった。
だが、バブルが崩壊して「永遠の繁栄」という夢が崩れてみれば、後にはほとんど経済が成長せず、でも飢え死にするほど不幸でもないというびっくりするくらい退屈な社会が残された。いわゆるポスト工業化社会という段階に日本も到達したわけだ。
こうなると、
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