安井孝之
2010年12月03日
大学生の就職戦線は「超氷河期」だ。12月に入ったというのに4年生の内定率は6割程度だという。中位校の就職担当者は「体感では5割程度しか内定者はいない」と漏らす。若者たちがこんな現実の厳しさから、「どんな会社でもいいから入りたい」と考えているかというと、そうでもない。若者たちは、「この会社の理念はいいか?」「この会社の仕事は世の中の役に立っているのか?」と自問自答する。失われた20年を経て、「仕事」は金儲けだけではないという本質に気づいた若者たちが、企業社会を揺さぶってゆくのか。
ある大手電機メーカーの40歳代の管理職は「今の学生の真剣さと僕らが就職活動をしたころの真剣さを比べると比較にならない」と話す。バブル世代といわれた40歳代前半の会社員の多くは、自分の個性は何か、何をしたいのか、と自己をとことん見極めることもなく、すんなりと就職が決まったことだろう。そんな世代に比べれば、就職指導の賜物でもあるが、今の若者は、「自己分析」をみっちりやる。
西日本の中位校の大学4年生に話しを聞いた。3年の秋に「自己分析シート」の空欄を埋める作業をしながら、自分の強み、弱み、何がしたいか、何がしたくないか、が見えてきたという。「人に接しながらモノを売る営業に向いているかな」「売るなら人のためになるモノがいい」「薬はどうだろう?」と考えて、
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