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ユーロ消滅が地球経済を揺るがす日

浜矩子

浜矩子 同志社大学大学院教授(国際経済学)

 アイルランドがEUとIMFから金融支援を受けることになった。総額850億ユーロ(約9兆円)のパッケージで、そのうち500億ユーロが財政支援、350億ユーロが金融機関への資本注入に当てられる。

 この内訳が問題の全てを物語っているといっていい。ことの発端は、金融機関の不良債権大幅累増である。だから、金融機関支援のための資本注入に相当額が充当される。一方、それらの金融機関の救済に乗り出したために、アイルランド政府の財政状況が大幅に悪化した。だから、財政支援のために金融機関支援を上回る金額が投入される。レスキュー隊であるはずの政府が、救出作戦の負担の重さに、みずからレスキューを必要とする状況に追い込まれた。何とも悲惨な構図だ。

 かつて、アイルランドは「エメラルド・タイガー」の名称でもてはやされた。エメラルド色は、緑豊かなアイルランドのナショナル・カラーだ。その緑の国が虎なみの迫力で経済成長を成し遂げていく。その勢いに瞠目して、世界が彼らに緑の虎の称号を与えた。

 だが、その勢いの背景には、ユーロという名の、それこそ「虎の威」を借る背伸びの行き過ぎがあった。 ・・・ログインして読む
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筆者

浜矩子

浜矩子(はま・のりこ) 同志社大学大学院教授(国際経済学)

同志社大学大学院ビジネス研究科教授。エコノミスト。専門は国際経済学。1952年8月3日東京都生まれ。1975年一橋大学卒業、三菱総合研究所入社。90年より98年まで同社初代ロンドン駐在員事務所長。帰国後、同社経済調査部長、政策経済研究センター主席研究員を経て2002年10月より現職。「グローバル恐慌~金融暴走時代の果てに~」(岩波新書、2009年)、「ユーロが世界経済を消滅させる日」(フォレスト出版、2010年)など、著書多数。

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