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 メキシコで開かれていた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は、1997年のCOP3で採択された京都議定書を延長するかどうかが焦点になった。結局、結論は来年末に開かれるCOP17に持ち越されたが、会議中、日本の産業界の一部は同議定書を「不平等だ」と悪者扱いした。生々しい話は避けるが、筆者は、この議定書が日本を低炭素社会へと向かわせる大きな契機になったことは間違いないと思う。今回は「京都」発の取り組みの広がりを紹介したい。

 環境事務次官の小林光さん(61)は2000年3月、断熱材や太陽熱床暖房・給湯システム、太陽光発電など「フルコース」の排出削減策を盛り込んだ自宅を建てた。京都議定書の国際交渉に携わった小林さんは、家庭でも大きく削減できることを自ら証明したかったからだ。

 建て替え後もテレビにタイマーを付けたり、自動消灯スイッチの照明に切り替えたり。それで、電気やガスなどの使用量から計算した08年度の自宅の二酸化炭素(CO₂)排出量は、建て替え前より50・5%減った。「2050年に温室効果ガスを世界で半減という洞爺湖サミットの目標を、我が家は40年ほど前倒しして達成です」と自慢する。

 削減に努力する中で、「食卓の明かりを落としすぎて、父に『闇鍋か』としかられた。子どもには、『エコおやじ』と呼ばれた」。でも、小林さんにしてみれば、建て替え時のエコな対策のフル装備のおかげで「住人が何かをしなければという苦労はあまりなかった」との思いがある。

 追加コストも「10年前だから高級外車1台分がかかったが、今なら国産車並みで済むはず」。その持ち出し分は ・・・ログインして読む
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筆者

小森敦司

小森敦司(こもり・あつし) 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

東京都出身。1987年入社。千葉、静岡両支局を経て、名古屋や東京の経済部に勤務、金融や経済産業省を担当。ロンドン特派員も経験し、社内シンクタンク「アジアネットワーク」では地域のエネルギー協力策を研究。現在、エネルギー・環境分野を担当、とくに原発関連の執筆に力を入れている。著書に「資源争奪戦を超えて」「日本はなぜ脱原発できないのか」、共著に「失われた〈20年〉」、「エコ・ウオーズ~低炭素社会への挑戦」。

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